2017.8.2 UP DATE

【レポート】ヤマハが木材の独自技術を採用したグランドピアノ「SXシリーズ」を発表

 ヤマハ(株)は、ピアノ指導者や演奏家などに向けて、グランドピアノ「SXシリーズ」の2モデル「S3X」「S6X」を発表した。

 

 

 これは、1982年に発売され4度のモデルチェンジをした「Sシリーズ」の後継となるプレミアムモデル。フラグシップモデルである「CFX」の基本設計をベースに、ピアノでは初めて木材改質技術を採用するなど、「CFシリーズ」に次ぐラインナップとして、3つの開発強化を行なっている。

 


 

 7月25日に行なわれた記者発表会では、SXシリーズのコンセプトや開発内容を紹介したほか、ピアニストで東京藝術大学準教授の青柳晋氏をゲストに迎え、S6Xを演奏して音を披露した。

 

 

 残念ながら、ここではその演奏動画を掲載できないが、青柳氏はS6Xについて、こう語っている。

 

「今までのピアノと決定的に違うところは、メゾピアノ以下の音色が格段に増えているということ。メロディックな部分、叙情的な部分で表現の幅が増えている」

 

 このピアノは、どんな場面で活躍するかといった問いには、「これから演奏家として高みに昇っていくためには、技術的な要素よりも、もっと音楽的に高度な内容にどれだけ順応していくことができるか、つまり音色の豊富さ」が必要。「大きさは練習用ピアノのままだが、高度な内容の楽曲に取り組むときに、非常に有用なのではないか」と答えた。

 

 

 ターゲットは、ピアノ指導者や演奏家。音楽大学のレッスン室などでの使用も想定し、開発時にアドバイザーとして、世界の音楽大学の指導者やピアニストに協力を仰ぎ、助言を反映して改良を重ねた。

 そのうちのひとり、モスクワ音楽院院長のA.S.ソコロフ氏は、「演奏者の表現を『虫眼鏡』のように反映する。叙情的な曲に合う」とコメントを寄せている。

 


 

〈3つの開発強化に伴う音の特徴〉

 

1. 曲練支柱(まげねり)の剛性強化

曲練支柱に使用する合板を、貼り合わせる単板の厚みを3割増し、板の枚数を少なくして、従来品より接着面を約4分の1減らしている。その効果として、低域の充実感や音像の明確さ、音の遠達性を挙げている。

 

 

2. 本体にA.R.E.処理をする

新品でありながら、長年弾きこんだような熟成された鳴りを実現するため、ヤマハの弦楽器などに採用されている木材改質技術「Acoustic Resonance Enhancement」(A.R.E.)を、曲練支柱に導入。その効果に、音の伸びの良さや低音の音程感、奥行き感が出ているという。

 

 

3. 本体とハンマーの最適化

ピアノの設計変更に伴い、入力に対する感度をマッチさせるため、ハンマーのフェルト素材に弾力性に優れたフェルトを採用している。その効果として、立ち上がりの感度の良さや色彩感、音色の変化があるという。

 

 


 

そのほか、フラグシップモデルCFXのDNAを継承する設計として、以下のような工夫が凝らされた。

 

 

響板と響棒に、フラグシップモデルCFXと同じ設計手法を導入している。ヨーロッパスプルースを素材に採用し、ストレスなく豊かに響板が振動するよう、部品の形状や接着方法を工夫。

 

 

 安定した音の響きを追求し、CFXと同様に頑丈な支柱構造を響板に採用。一部の支柱を従来比で20%太い構造に変更し、土台を強化している。

 

 

 低音部の弦に用いる巻き線は、熟練の技術者によって手巻きで製作。弦のバランスと張力を微妙に調整することにより、音程感を明確にし、低音の重厚な響きをつくっている。

 


 

〈価格と仕様〉 

 

 


 

〈お問い合わせ先〉
(株)ヤマハミュージックジャパン 楽器営業本部
マーケティング部 ピアノ・EKB課
Tel.03-5488-5442

 

▼ 記者発表時の青柳晋氏の演奏
https://youtu.be/l4THguozdg0?t=272

 

▼ SXシリーズの詳細はこちら

 

▼ ヤマハ・グランドピアノの詳細はこちら

 

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