2017.12.9 UP DATE

【TOPICS】映画『阿古屋』と書籍『歌舞伎の音楽・音』で楽しむ歌舞伎の世界

~ゆるぎない愛、究極の美。~
現在演じられるのは坂東玉三郎ただ一人の「阿古屋」

 


 

 高度な技術、表現力、美しさが必要なことから、演じられる人間が極めて少ない演目『阿古屋』。日本を代表する女方 坂東玉三郎が阿古屋を演じ多くの観客を魅了した公演が、シネマ歌舞伎作品としてスクリーンに登場する。

 

 『阿古屋』は通称「琴責め」とも言われ、琴・三味線・胡弓の三曲を阿古屋自ら演奏するという趣向が眼目の演目。3つの楽器の弾き分けをはじめ、傾城の気品や色気、景清を想う心理描写も表現しなければならず、女方屈指の大役として、現在演じることができるのは坂東玉三郎ただ一人である。玉三郎は、「阿古屋という役を演じることは、私にとって技術と体力と精神力が要求される、とても難しい役だった。いずれは、この役を演じる若い人が出てくることを切に願います。」と想いを語っている。

 

 映画では舞台映像だけでなく、舞台裏で『阿古屋』という作品を支える人々の様子をとらえた特別映像も、坂東玉三郎自ら想いを語るナレーションとともに、たっぷり収録されている。

 

 最高級の遊女である傾城の華やかな衣裳に楽器の演奏―。絢爛豪華な舞台を、大スクリーンで視覚的にも聴覚的にも堪能できる、なんとも贅沢な映画となっている。

 

【撮影公演】平成二十七年十月 歌舞伎座公演
【本編尺】93分
【出演】坂東玉三郎、尾上菊之助、坂東亀三郎 ほか

 

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写真:©岡本隆史

 

 

【関連書のご紹介】

 

 『歌舞伎の音楽・音』(音楽之友社/新刊)をご紹介する。

 

●歌舞伎の音楽・音

配川美加 著 

【定価】 4,860 円 ( 本体4,500 円)
【判型・頁数】 A5・408頁
【発行年月】 2016年12月
【ISBNコード】 9784276133235
【商品コード】 133230



[内容紹介] 

 歌舞伎の音楽・音の全体像がつかめ、歌舞伎の観方もさらに深まる! 出囃子(長唄)、陰囃子(黒御簾音楽)、浄瑠璃(竹本、常磐津節、清元節、大薩摩節、河東節、新内節、三曲(地歌・筝曲・胡弓・尺八)から柝、ツケ、効果音、揚幕の開閉音、役者の演奏、役者のセリフ、化粧声、所作舞台を踏む音に至るまで徹底解説。

 

 最後の章では、まとめとして、『一谷嫩軍記』「熊谷陣屋」、『青砥稿花紅彩画』、《京鹿子娘道成寺》、《将門》、《お祭》を例に、音楽・音が実際にどのように組み合わされて舞台効果を高めているかを詳述する。

 

  執筆にあたり、演奏者をはじめ歌舞伎の上演に携わる多くのかたがたに取材した。

 

 出囃子・陰囃子の錦絵、擬音道具・鳴物の写真、竹本三味線の譜例、陰囃子の主要鳴物曲一覧表など、貴重な資料満載。初心者はもとより、専門家も必携の書。学校関係者にとっては、授業のヒントとなる情報に溢れている。(音楽之友社)


 

 聴覚面に焦点を当て、音楽や音と演技の深い結びつきも読み取れるこちらの本。「阿古屋」の詳細についても本書P.283で述べられているので、映画と併せて楽しんでみてはいかがだろうか。

 

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